ご無沙汰しております。

今日は、備忘録も兼ねて iMac の分解修理手順をご紹介しましょう。

(iMacの分解修理は実は初めてです)


今回の患者さんは、iMac 2009 Late モデルで、症状はHDD(ハードディスク)の故障。SMARTエラー出ていて、しばらくしてからもう起動すらしなくなってたんで少なくともHDDは交換したほうがいい感じでした。


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Appleストアや、Appleの正規修理ショップに見積りをしたところ、おおかた4〜5万円という見積り。

たかだかHDD1つ交換するだけで、4〜5万、しかも3年も前のモデルだし。。。もしかしたらHDD以外もおかしいところがあるかもなので、そうなるとさらに修理代はかさみます。



最新のMacBook Air の最安値を見たら、この修理見積代に数万足せば手に入るということもあり、どちらにしろこのままだと動かないし、自力修理が成功したらほんの1万ちょっとで治って結果オーライ。


もし自力でやって失敗したら、修理して4-5万払ったって思うことで、それにプラスで数万足して最新のマシンを購入しても納得できるのではということで、自力で交換修理することに決定しました。


(ただし、自力でやったらもう今後Appleは面倒は見てくれないのでそこは自己責任になります)


さて、作業前にハードディスクだけの故障なのかどうかを一応確かめたかったので、事前に外付けHDDにOSXをインストールし、普通に動作することを確認しました。


で、内蔵ハードディスクを交換すればほぼ間違いなく復活するだろうとの見当をつけてからいざ分解!



せっかく分解してハードディスクを交換するので、これも3年前のマシンですし、高速化も兼ねてハードディスクではなくSSDに交換することにしました。

新しく搭載させる予定のSSDはこれ。


【SSD】Micron Crucial m4 9.5mm 128GB (CT128M4SSD2)

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コストパフォーマンスが良いSSDで、あたくしもこれまで何個か買いました。そこそこリーズナブルなお値段でめちゃくちゃ速いですよ。


もともと1TBのHDD(ハードディスク)だったのを、128GBのSSDに交換するので容量は減りますが、もともとほとんど容量は使っていなかったので128GBでも十分ということで、高速化と発熱が少ないというメリットをとるわけです。

—- 2015.04.20 追記 —-

最近オススメなのは、Samsung SSD 850 EVO というSSD


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もともとは、Crucial m4 128GBをつけていましたが、上述の通り容量が少ないので250GBにしたいと思い購入しました。

ちなみに、Samsung SSD 850 シリーズには、PROモデルもありますし、販売方法としてベーシックキットタイプとか、SATA/USB変換ケーブルやデスクトップ用ブラケットが付属されたオールインワンキットタイプとかありますが、ベーシックキットが安いですしそれで十分です。

こちらが Samsung SSD 850 EVO ベーシックキットです。

バリ速で、コストパフォーマンスが良いです。薄さも7mmと超スマート。しかも5年保証付き!

—- 2015.04.20 追記 終わり —-


さて、作業開始。


まずは、ディスプレイのガラス部分を外します。

実はiMacのディスプレイのガラスは磁石でくっついているんです。なので家の冷蔵庫で使ってるタオルかけの吸盤を持ってきて、それをiMacのディスプレイに貼付けます。


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iMac の 2009 Late モデルのディスプレイガラスは、下部に爪みたいなのがあるので、そのまま持ち上げると爪がひっかかってガラスが割れてしまうので、ディスプレイの上のほうに向かってスライドさせるようにして持ち上げなければいけません。

磁石はとても強力です。コツは吸盤を上の端っこのほうに設置して、一旦上側だけ持ち上げ、そこから前述したように上の方にスライドさせながら全体を外すといいと思います。


コツがわかるまで私も結構苦労しました。。。


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はずした写真が上の写真です。赤い丸のところは、さっき言った爪です。これ要注意です。


爪のアップも一応。

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さて、ガラスが無事取り外しても、ディスプレイそのものを外さないと、目的のHDDは見えてきません。


ディスプレイを外すにはトルクスドライバー(T8)が必要ですので、無い方は購入しておきましょう。


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他の分解レポートサイトを見ると、T8とT9とT6が要るとか書いてあるところもありましたが、少なくともHDDの交換だけであれば、T8のトルクスドライバーさえあれば大丈夫です。ちなみにT9でもいけるっぽいです。

下の写真のように左右に4カ所ずつ、合計8カ所にネジがあるのではずします。


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ガラスを固定している磁石がかなり強力なので、ネジを外す時と、交換が終わってネジをしめ直すときは、ネジやドライバーが磁石に吸い寄せられて結構大変です。



ネジを8カ所すべてはずしたら、端っこにドライバーか何かを使って梃子の原理でディスプレイを持ち上げます。


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しかし、注意しないといけないのがディスプレイとロジックボードとの間に4本のケーブルがつながっているので、一気に引き上げてはいけません。


ここに平面コネクターが一本。

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ここに一本。

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そしてここに隣り合わせで2本ケーブルがつながっているので慎重に取り外す必要があります。

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全体のどの辺りにあるかというとこんな感じです。ちなみに水色で囲っているところが目的のハードディスクの場所です。

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ただ今回はこの4本あるうちの、最初の写真に載せた平面コネクターは取り外すのが難しく、写真のようにディスプレイをiMacの下側に立てかければ一応取り外さなくてもハードディスク交換作業自体はできそうだったので取り外しませんでした。


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2つのネジで固定されている故障したハードディスクを取り外します。ここでもトルクスドライバー(T8)が要ります。


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Seagate の Barracuda 7200.12シリーズのハードディスクが搭載されていました。


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ただ、これ普通のSeagate Barracuda 7200.12 ではないのです。

iMac 2009 Late のハードディスクはAppleの特注品らしく、温度センサーがハードディスクに内蔵されているらしいのです。
内蔵された温度センサーからの情報を、下の写真のコネクターから受け渡しているようで、市販のハードディスクに交換してもそんなセンサー付いていないから、ハードディスクの温度を検知できず、ファンがめちゃくちゃ回転してすごくうるさくなったりするという問題がおきるわけです。

ではどうするかというと、ソフトウェアでファンを制御できるやり方が紹介されていたのでそれを採用することにしました。これは後述します。

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もともと付いていたハードディスクは3.5インチなので、今回用意した2.5インチのSSDでは場所が余ります。


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きちんと固定する必要がありましたので、食器洗い用のスポンジを切って透明テープで巻いてクッションにし、それに強力な両面テープを貼って固定しました。これで熱効率も多少はよくなるはずです。


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他の分解サイトを見ると、この温度センサーコネクターに刺さっているケーブルをショートさせてあるような記事もありましたが、あとでソフトを入れてファン制御をすることにしていたので特にそんな作業は行わずに、SATAケーブルだけつないでSSDを換装させました。

ハードディスクはものすごく熱を持ちますが、SSDはあんまり熱くならないのでその点も安心ポイントです。



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できあがりはこんな感じ。

いやー、Apple製品は普段見えない部分まで本当に綺麗に設計されていますねー。

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あとは、外したコネクタを慎重に元の状態につなぎなおし、磁石に四苦八苦しながらディスプレイをネジで固定して、ディスプレイに付いたホコリや指紋を綺麗に拭き取ったあと、ガラスを割らないように元通りにくっつけたら作業終了です。



「問題なく起動してくれよ」と念じながら電源ボタンON!


無事起動して、動作も問題ありません。しかもSSDに変えたから超速くなってストレスレス!!(現行2011年モデルのiMacの一番安いモデルより体感的に速いです)


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さてここまできたら、あとは前述した温度センサーがらみのファン制御問題。


これは、HDD Fan Control というシェアウェアのソフトがあるのでそれを入れたらシステム環境設定にインストールされて、きちんとファンも制御できるようになるので解決です。



というわけで、無事 iMac 復活!

もし同じようなことをされる場合は、参考にされるのは結構ですが、全て自己責任でお願いします m(__)m


そういえば、そろそろ iMac の2012年モデルが出てもおかしくない時期ですね。
噂の MacBook Pro Retinaディスプレイモデルの13インチと一緒に出るのかな。


MacBook Pro Retina ディスプレイモデル の13インチがもし噂通り近く出たら、かなり「買い」のモデルになりそうな気がしますねー。(値段にも寄りますが・・)


ではまた。