Acer(エイサー)のPC出荷台数世界第2位に思う、台湾人の勤勉さ


昨年から、主力商品の Aspire One がバカ売れしている、台湾企業のAcer(エイサー)が、2009年第3四半期においてPC出荷台数であのDELLを抜いて世界第2位へと躍り出ました。


aspire_one

世界的なパソコン市場のシェア争いと言えばこれまでは、HPとDELLの2強ばかりが目立ってましたが、ここ最近の所謂ウルトラモバイルPCの爆発的な普及によってAcerがついにDELLを打ち破ったのであります。


ここ数年、新しいパソコンや周辺機器、パソコン関連部品のニュースでは、かなり台湾メーカーの隆盛が目立つなと個人的にも感じていたので、AcerがDELLを抜いたのは驚くと同時についに台湾メーカーもここまで来たかという印象です。




私が実際に買ったり使ったりしているPC、周辺機器、部品も相当な部分を台湾メーカーに依存しています。今や台湾メーカーの部品が一つも使われていないマシンを探すのが難しいくらいにすっかり市場に入り込んできてますね。


私がよく買ったりする(あるいは買った品に使われている部品をつくっている)代表的な台湾メーカーでも、



・UMPCやディスプレイで有名な本日のタイトルにも出ている「Acer(エイサー)」。ちなみに今目の前に眺めているディスプレイもAcerです。

・EeePCで有名な「ASUS」。名機 EeePC 901-X はなかなかいいマシンだった。

・サブディスプレイとして買ったことがある「BenQ」

・オーディオカードでよくみる「Realtek」

・マザーボードや最近ではUMPCも出してる「MSI

・同じくマザーボードの「GIGABYTE」

・SDカードなどのフラッシュメモリでかなりのシェアを持っている「トランセンド」

・DVD焼き焼きソフトが有名な「CyverLink」

Android 携帯で日本でも一躍名の知れた「HTC」(HTCのは買ったことないな)

・ウイルスバスターの「トレンドマイクロ」(これも実際買ったことはないな・・好きじゃないし)



と、ざっと思い出しただけでもこんだけあります。




上記のメーカーは縁の下の力持ち的なメーカーも多いので知らない名前もあるかと思いますが、実はみなさんの持ってるデバイスの中で使われている部品が上記の企業のものだったりすることも多いはずです。


私が最近超絶お世話になっている、AppleのiPhoneでさえ、TOSHIBAとSamsungの部品が使われているということはよく知られていますが、実はカメラモジュールとか、プリント基板とか、そのほかの部品にも台湾のメーカーのものが使われているのです。
iphone3gs


おそるべし台湾メーカーですね。なんかこのAcerの躍進振りをみて、日本が戦後復興して、その勤勉な国民性を武器に高度経済成長をとげたのと同じような勢いがいまの台湾にあるような気が個人的にはしてます。



6年ほど前に台湾を訪れたとき、道を聞くためにその辺を歩いている英語が話せそうな学生っぽい青年をターゲットに絞って適当に話しかけました。

たまたま話しかけたのは、荘くんという名の青年で、彼は台北市内の大学でコンピューターのプログラミングを勉強している学生でした。話していると彼はちょうど時間があるとのことでいろいろ台北市内を案内してもらいました。



急に台北行きの激安エアチケが手に入ることになり、ほとんど予備知識なしで急遽渡台したため、現地の若者に台湾についていろいろ聞けるチャンスだと思ってここぞとばかりにたくさん質問しました。



その中で、見知らぬ日本人に親切に観光案内をする彼をみて不思議に思ったため、次のような質問をぶつけてみました。



「むかし日本は台湾を植民地化していたのに、台湾人の君は日本のことを嫌いじゃないのか?」と。



すると荘くんは、「それは僕らが生まれるずいぶん昔の話で、僕の祖父の代はたしかに日本のことが好きじゃない人が多かったみたいだけど、僕らみたいな若者からしたら日本は進んでる国でとてもクールだし、真似したいところがたくさんあるから大好きだ」みたいなことを言ってました。彼の中には日本に対して憧れにも似た感覚があったと思います。



中国(ここでは中華人民共和国のことね)とかはかなり昔のことを今でも根に持ってて、たまにスポーツで対戦するときとかですらいろいろその影響が出てたりするけど、台湾の人はずいぶん様子が違うんだなと思った記憶があります。


そんな荘くんは一緒に行動しているときも日本のことをあれこれ聞いてきたり、大学を卒業したらエンジニアになって活躍したいとかの夢を語ったり、とにかく向上心が強いというか勤勉ぽいというかマジメというか、たまたまそういう青年にあたっただけかもしれないけど遊んでばかりいる(というと偏見になるとは思いますが、そういう印象が大きい)日本の大学生とは違うなーと感じました。



夜になり、果たして台湾の若者たちはほんとに親日家が多いのかを確かめるため(というのはウソになりますが)、若者がよく行くという飲み屋街を聞いてそこに出向き、その辺の飲み屋を朝方まで5~6軒ほどハシゴした後思ったのが、「台北の若者はなんと親日家が多いんだ」っということでした。


他の日本人が現地でたくさん金落としていくからかなと最初は思ったのですが、「学生だから金ぜんぜん持ってないよ」ってウソを言って、わざといろいろケチったりしてもまだ親切だし(逆にタダでおごってくれたり)、日本のこととか持ってるデジカメのこととかどんどん聞いてきて楽しそうに話しかけてくるのです。



というわけで、かなり短時間でかつ狭い範囲を回っただけの経験でしたが、かくして、わたくしの中の台湾の人のイメージは、勤勉で好奇心旺盛で親日的というものになったわけです。




あんまり歴史のこと知りませんが、これってアメリカに敗戦したのに、戦後復興をする中で超大国アメリカに憧れて若者を中心にアメリカナイズされていった日本のような気もしました。


帰ってきてから少し調べてたら、台湾を民主化に導いた李登輝が、日本の統治時代(植民地時代)のある側面をプラスに評価する発言をしたことがあったようです。これは台湾では売国的な見方をされて(当然ですよね)かなり非難も浴びたようですが、台湾のリーダーの中に、このように物事を一側面からだけでなく、多面的にとらえてそれをきちんと発言する人がいたことを考えると、過去のことにこだわらず、柔軟なものの見方をできる国民性というものがもともと台湾の人の中にはあるのかもなーなんて思ってしまいます。


ritoki

というわけで、昔は「勤勉な国民」というと「日本人」というイメージがありましたが、それも一昔前の話で、今ではもはやベトナム人にその座を奪われてしまっていますね。しかしわたくしはこの台湾人というのも結構勤勉な国民なんじゃないかと勝手に思い込んでます。


だって勤勉で優秀な国民がたくさんいないと、世界でこれほど支持されるハードウェア企業が、一つの小さな島国にこんなにたくさん生まれるはずがないんじゃないですか?



荘くんとはその後定期的にメールとかしてましたが、ここ何年かさっぱりしてません。どうなっているのか気になります。もしかしてすごく優秀なエンジニアになってたりして。




あ、わたくし今の台湾の経済情勢とか全く知らないんで、今回の記事でマクロ的な見方で書いたとこなんて皆無で、むしろ至極ミクロ的かつ超個人的思い込みで書いた部分がほとんどなので、詳しい人からしたら全く的外れなことばかりかもしれませんから悪しからず。。。





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