順走ダイアリー #9 萩・石見空港マラソンレポート – 悪意なのかあるいは善意なのか、それはランナー次第だった。







こんにちは、Marです。

このシリーズも半年くらい放置したまんまでしたが、ちょうど日曜日にさが桜マラソンを走ったので続きを書くことにしました。いつも通り「である」調でいきます。

(本家、逆走ダイアリーのパクリ、前回 #8 の続きです)



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滑走路を出ると、緩やかな長い坂が待っていた。行きは下り坂だし、序盤はまだ体力もあるので問題ないが、ゴール直前の20km目くらいで、今度は逆にこの坂を上ってこなければならないことを考えるとゾッとする。



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もっとも20km目まで走って帰ってこれていればの話なのだけど。



下り坂が終わる頃、白バイがいた。普段は全くそんなことは思わないが、二日酔いの上、しばらく続いた下り坂がじわじわと体力を消耗させたこともあり「あの白バイの後部座席に乗れたらどんなに楽だろう」とか思ってしまう。


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さてそんな緩やかな下り坂を終えて左に曲がると北浦街道こと191号線へと出る。



ようやく5kmの看板がやってくる。得意の割り算を瞬時に行う。いま全体の約4分の1。


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そして5kmの看板を過ぎてすぐに最初の給水ポイントが設置されていた。


この萩・石見空港マラソン大会はその公式コースマップ上にあらかじめ給水ポイントが明示されている。大会に寄っては走ってみるまでは給水ポイントがどのタイミングで登場するのかわからないのもあるようなので、この大会のようにあらかじめ給水ポイントがどこで出てくるのかわかっているのは私のような初心者ランナーにはとても嬉しいことなのだ。



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次の給水ポイントを目標にすることができるし、つらいときに「いつになったら次の給水ポイントがあるんだ」とか思わなくて済む。



最初の給水ポイントを過ぎると、持石海岸という海岸沿いの直線に入る。



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天気は快晴だし、景色もすばらしい。イヤフォンから流れてくる曲はちょうど練習時にも気に入っていた Shugo Tokumaru / Malerina 。この景色に見事にフィットしていた。







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二日酔いというハンデを背負ってはいるにもかかわらず、そのことをふと忘れてしまうほど気持ちの良いこの環境は、「予想していたよりも今日の自分はずいぶん調子がいいのではないか」と思わせるのに十分なものだったのである。




しかし、それは単なる虚構に過ぎなかったのだ。



これは罠だったのだ。



「私にとっては結果的に」罠だったというほうが正しいのかもしれない。




実は、走り始めて5kmから10kmくらいの間が一番心地良く走れるそうで、心拍数がほどよい感じに上がり、適度なランナーズハイ状態になるという。


ランナーが最も気持ちの良い状態になるちょうどその頃を見計らって配置されたかのような、この素晴らしい青々とした海と空の景色、まっすぐな直線道路、そして給水後の安堵感、さらには偶然ではあるにしろ文句のつけようがない快晴の天気。


二日酔いの私でさえ「今日はなんだかいいタイムが出そうな気がする」と思えたほどだ。


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しかし、悪意があるのか偶然なのか、はたまた善意なのか、それはわからないのだが、この罠にハマった私のようなへっぽこランナーが、このような心地良く自分に都合のいい場面が本マラソン大会の中に存在したことを思い返すことは、もうこの先一度もなかったのである。








海岸沿いの北浦街道を左折してしばらく行くと、10kmの看板が出てきた。



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ようやく全体の半分を走り終わろうとしていた。








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